ヘテロクリニックの日記

病院勤務医時代に、今の医療体制では患者さんも医療者も幸せになれないのではと感じ、誰もが笑って幸せに生きる医療を届けるべく自由診療を開始しました。癌治療、緩和ケア、訪問診療などの経験を活かし、病気による人間関係、現在の医療問題、就労問題などを楽しく書こうと思います。

ストレスと食べ物

ストレスが溜まってイライラしている時

 

あなたはつい何かを食べたくなることはありませんか?

 

それはどんなものでしょうか?

 

仕事の合間、一息つこうとコーヒーショップに寄ったとしましょう。

 

コーヒーを頼む時その隣のショーケースにはどんなものが並んでいるでしょうか?

 

クッキー、マフィン、ケーキ、チーズやソーセージを挟んだデニッシュ

 

おそらくコーヒーに合うスナック類として置かれているのではないでしょうか?

 

大手のコーヒーチェーンをみるとそのようものが置かれているのをよくみかけます。

 

人は感情が揺さぶられている時

 

イライラしたり、悲しかったり、なんとか気持ちを落ち着けようとしている時

 

甘いものや高脂肪のものを食べたくなります。

  

実際にストレスを感じている時、これらの甘いものや高脂肪なものをとると

 

そのストレスが緩和されたような感覚になるようです。

 

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まだ実験の件数は少ないのですが、人や動物実験で脂肪分や糖分の多い食物が

 

ストレスを軽減させる効果をもたらしていると考えられるメカニズムが

 

報告されています。

 

 ベルギーの精神科医の行った実験では

 

健常者の自己報告とMRIを用いて、

 

気分などの主観的な評価と情動を司る脳の領域の活動性の変化をみました。

 

被験者に悲しい音楽を聴かせながら、悲しそうな顔の写真を次々と見せ

 

被験者自身が悲しみを感じる度合いが増し、

 

MRIでも情動を司る脳の領域の活動性が高まらせた状態を作り出しました。

 

その状態の中、実験群には胃には脂肪分を、対照群には水を

 

チューブを使って間接的に胃に注入したところ、

 

胃に脂肪分を注入された群は

 

悲しみの感情やそれに関連する脳の領域の活動性の低下がみられました。

 

この結果は脂肪分の多い食べ物が

 

気晴らしの効果をもたらせていることが考えられました。

 

ある意味、脂肪食が脳の活動性を低下させることで

 

ストレスを感じにくくさせているのです。

 

しかしこの一連の反応が脳、腸、そして免疫系の疾患、

 

さらには肥満、循環器系の疾患につながっていることがわかっています。

 

気晴らしできるのであれば、いっけん良いことのように感じますが

 

毎日のように続けてしまうとその代償はあまりにも大きいようです。

 

ストレスを感じて何か食べたくなる時、悲しい時、イライラした時、

 

口にする前に一度冷静に考えてみましょう。

 

一口暖かい飲み物をお茶を飲んで落ち着いて見ましょう。

 

感情的になった時は食で紛らわせるよりも

 

もっと根本的な解決をして心も身体も健康になるほうが得策です。

 

もちろん甘いものなどを食べてはいけないという話ではありません。

 

感情が波立っている時は、どうしてそうなってしまったのか

 

原因を探ると、自分の身体を無理にいじめなくて済むかもしれません。

 

この気持ちどうにかしてほしい

 

そんな時は相談してください。

 

ヘテロクリニックではどうにかしたいこの気持ちを落ち着け

 

自分で自分の気持ちに気がつきやすくなるサポートをしています。

 

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