ヘテロクリニックの日記

病院勤務医時代に、今の医療体制では患者さんも医療者も幸せになれないのではと感じ、誰もが笑って幸せに生きる医療を届けるべく自由診療を開始しました。癌治療、緩和ケア、訪問診療などの経験を活かし、病気による人間関係、現在の医療問題、就労問題などを楽しく書こうと思います。

《誰かのサポートをしている方へ》相手の犠牲にならないサポートでお互いを尊重しあおう

私は以前、大学病院で癌の治療をしていました。

癌患者さんは悩むこと、立ち向かわなければならないことが多く、

辛く感じる場面も多いことでしょう。

そして、サポートをしている家族の方も大変だと感じることが

多いのではないかと思います。

 

どんな方にも「相手を思う気持ち」というものがあるのではないでしょうか。

相手にこんなことを言ったら嫌な気持ちにならないだろうか?

さっき言った言葉に相手は傷ついていないだろうか?

そういった不安で相手に対してどう振る舞ったらいいか悩むことがあります。

癌患者さんの家族の方のなかには、

自分も辛いけれど頑張らなければと自分を奮い立たせている方もいるでしょう。

自分は明るく振舞わなければ

自分が相手の分まで頑張らなければ

そう頑張りながらふと突然相手が目の前からいなくなったしまったら、、、

急に涙がでることもあるでしょう。

頑張りすぎて体調を崩される方もいます。

 

私が病院に勤務していた時、

家族の方から自分の辛い気持ちを打ち明けられることがよくありました。

本人のほうが辛いのに、こんな私ではダメだと思う。

でもこの自分の気持ちをどうにかできないものか。

そう言って泣いておられる方もいました。

考えれば考えるほどますます辛くなってしまうかもしれません。

そんな時は本当に安心して打ち明けられる人に話せるといいかもしれません。

でもそんな人どこにいるのでしょうか?

他の家族にだって心配させたくない。

職場の人にだって知られたくない。

医師や医療スタッフもなんだか忙しそうで話しかけにくい。

そんな時は感情カウンセラーに相談することも一つです。

感情カウンセラーはどうにもならない気持ちを落ち着けるサポートが可能です。

 

 

ところで、誰かを勇気づけたり、誰かを安心させる人はどのような人だと思いますか?

 

一緒に悲しんでくれる人でしょうか。

一緒に苦しんでくれる人でしょうか。

いろいろ気にかけてお世話してくれる人でしょうか。

無理してポジティブにさせようとする人でしょうか。

 

何かで困っている時

苦しんでいる人にサポートしてもらうよりも

落ち着いて対応できる人の方が安心できそうです。

誰かが混乱している時に一緒に混乱するよりも、

落ち着いて見守ってくれる人

無理に何かをするでもなく、させるでもなく

静かにその状態でいることを許容してくれる人

そのような方が落ち着くのではないでしょうか。

 

多くの人は「混乱している人」を何とかさせることができません。

溺れている人を助けようとして一緒に溺れてしまうことは多いです。

 

もし誰かを助けたい時

サポートする方は相手の感情に左右されにくく

相手の悲しみや苦しみを自分と同化することなく

冷静に対応できることが望ましいのではないかと思います。

 

そう考えるとサポート側は本人の精神状態が安定している人がよさそうです。

人の感情を理解できる人というのは、

自分の感情も理解できる人でもあります。

 

ですから、もし誰かをサポートして辛いと感じた時は

まず自分の感情を落ち着けることが最優先です。

 

自分の感情が理解できれば、

相手が何で困っているのか

何に思い悩んでいるのか

理解しやすいです。

 

相手の感情に飲み込まれると自分の行動ができなくなり

相手に合わせた行動になります。

うまくいかず、自分のほうがイライラしてしまうなんてことも起きやすいです。

  

自分の感情を安定させ、自分の状態を理解できる人は

相手の感情の変化も理解しやすくなります。

相手をどうにかしようとせず、相手のあるがままを受け入れられます。

 

患者さんの安心できるサポートをするには

まずサポートする自分が落ち着ける状態になることが重要です。 

 

自分の感情を理解するには感情を扱えるトレーニングが有効です。

感情カウンセリングでは自分で自分の感情を扱い

不必要なネガティブな感情を解消することができます。

 

相手をみて自分のほうが辛くなってしまうのであれば

まず自分が落ち着きましょう。

自分の感情を整えましょう。