ヘテロクリニックの日記

病院勤務医時代に、今の医療体制では患者さんも医療者も幸せになれないのではと感じ、誰もが笑って幸せに生きる医療を届けるべく自由診療を開始しました。癌治療、緩和ケア、訪問診療などの経験を活かし、病気による人間関係、現在の医療問題、就労問題などを楽しく書こうと思います。

グルテンフリーについて その⑴

グルテンフリーってご存知ですか?

小麦などグルテンを含む食べ物を取らない健康法の一種です。

このグルテンフリーを1年半実践された友人youtuberの米井寛さんと対談をしました。

彼は日々の食事で小麦を食べない生活を実践したそうです。

対談の動画をつけますが、この中では話きれないこともあるので、

付け加えてみました。

 


#02【対談】医師に聞くグルテンフリーのメリットとデメリット

 

グルテンフリーといえば最近ではテニスプレイヤーのジョコビッチさんが

本を出していますね。

彼はグルテンフリーを実践し、パフォーマンスがあがっただけでなく、

以前から悩まされていた鼻炎や体のだるさが改善したり、体重が減ったようです。

 

グルテンはタンパク質の一種で、

小麦に水を加えると粘着性のある物質に変化する特徴があります。

このグルテンが小腸で吸収される時に長く小腸にとどまり、

粘膜で炎症を起こしたり、本来吸収されない他の栄養素や毒素が腸から漏れ出し

血液中に体にとって異物となるかたちで入り込んでしまうことがあります。

 

慢性的な不調の原因が実はグルテンであったということもあるかもしれません。

具体的には、こんなものがあります。

 

体のだるさ、関節痛、頭痛、風邪をひきやすい、鼻炎などのアレルギー症状、訳もなくイライラする、湿疹、蕁麻疹、繰り返す下痢便秘、胃部不快感、メタボ体質

 

いっけんすると、誰でもよくありそうな症状が多いです。

 

・検査が難しいグルテンの病気

グルテンによる症状をみると、先ほどもあったように分かりにくいものが多いので、

まさかグルテンとは気がつかないことが多いです。

また、アレルギー検査でひっかからないことも多いのです。

医療現場でもまだそれほどメジャーなものではないので

調べてみようとする機会も少ないでしょう。

もし今なんとなくある体の不調がグルテンの作用なのかどうか見るには

やはり一旦グルテンをやめてみて体の変化をみるのがよいのではないかと思います。

 

また、セリアック病というグルテンに対して免疫反応を起こす病気があります。

グルテンが小腸で消化吸収される時に不完全な消化となり、

これに対して免疫反応が起きます。

消化吸収障害を起こしたり、腸が萎縮したりします。

症状の度合いは人によって様々です。

重症であれば、体重減少や微量元素やビタミン類など

他の栄養素の消化吸収障害も起こします。

 

また、グルテン不耐症、グルテン過敏症といったものもあります。

いずれにしてもグルテンに対して腸で消化吸収がうまくいかなかったり、

アレルギー症状を起こすものです。

 

・なかなか難しいグルテンフリー生活

買い物をしている時、食品の表示をみると以外なものに小麦が含まれていること

を見つけられるとおもます。

とろみやコクをだしたり、加工品のつなぎとして小麦が使われているのです。

パン、パスタ、ラーメン、うどん、カレー(ルー)、てんぷらやフライの衣、

お菓子もですし、調味料、ハム、ソーセージにも入っています。

ですから、なかなか実践することがハードルが高いことも事実です。

 

また、グルテンには依存性があります。すぐ食べたくなってしまうのです。

グルテンが分解された時にできたペプチドの一種が血液脳関門という部分を通り抜け、

脳で麻薬のような作用をすると言われています。

日本では洋菓子店も多く、コンビニも多く誘惑が多いことでしょう。

心理的に抑圧は大きいと、もっともっと欲しくなるものです。

ですから反動で食べてしまうこともあるでしょう。

 

最近ではグルテンフリーと明記された食品があったり、

米粉、大豆粉などの食品も出てきました。

どうせ実践するなら楽しくできればと思います。

 

こういった理解を踏まえて、もし実践するのであれば

3週間から1ヶ月試してみることをお勧めします。

実践後の体の変化をみて、続けたいと思われれば是非続けてみてください。

もし途中でできなくなっても、自分を責めず楽しめる範囲で実践してみましょう。

 

しかし、大昔からある小麦なのに、どうしてこのような病気が増えているのか

と疑問がわきませんか?

そのお話はグルテンフリーについて その⑵でします。