ヘテロクリニックの日記

病院勤務医時代に、今の医療体制では患者さんも医療者も幸せになれないのではと感じ、誰もが笑って幸せに生きる医療を届けるべく自由診療を開始しました。癌治療、緩和ケア、訪問診療などの経験を活かし、病気による人間関係、現在の医療問題、就労問題などを楽しく書こうと思います。

ヘテロクリニックを始めたわけ

私がへテロクリニックでこの仕事を始めたわけ(15)

私は自分の出会う患者さんには病気なったことで 自分の人生を後悔してほしくないと思っていました。 私自身も後悔するような人生を送りたくないのです。 癌を告知する時、 病気のせいで人生がダメになったとか 病気のせいで何もかも失ったとか そう感じる方…

私がへテロクリニックでこの仕事を始めたわけ(14)

前回(13)の続きです。 ある日のことでした。 朝目覚めると自分がどこにいるのかわからなくなりました。 そこは確かに自分の住んでいる家でした。 しかし目の前に広がる光景はナースステーションでした。 自分がベッドにいるのに、看護師さんたちが次々話し…

私がへテロクリニックでこの仕事を始めたわけ(13)

前回(12)の続きです。 私の本当にしたいことは何だろう? ここに(大学病院に)いつまで勤めるのか? それまでそんなことは考えていませんでした。 とりあえずみんなと同じように働いていれば大丈夫とどこか安心していました。 ですから、実際に自分の人生…

私がへテロクリニックでこの仕事を始めたわけ(12)

入院患者さんにはいろんな方がいます。 私は出会う患者さんの言葉に影響されることや 考えさせられることも多くありました。 そんな中、ある人の言葉を聞いて自分の人生をどうしていきたいのか 悩み始めました。 80歳を超える男性が入院されました。 その方…

私がへテロクリニックでこの仕事を始めたわけ(11)

そろそろ、私のきっかけ話は終わりにしたいなと思っています。 といいつつ書いてしまう、、、。 病院勤務時代に本当に考えさせられた経験があったから 今の私がある、改めて思います。 今回は医師の話です。 医師は普段どんなことをしているのか知っています…

私がへテロクリニックでこの仕事を始めたわけ(10)

私は患者さんに会うたびにその方の様々な背景や家庭環境の問題に どう対応していいのか悩む機会がありました。 同じ人間は一人としていないし、 すべて同じ考え方の人もいないと思います。 ですから、こちらが良いと思うことが相手にとって良いとは限りませ…

私がヘテロクリニックでこの仕事を始めたわけ⑼

家族の誰かが病気の時、家族は一生懸命その人をサポートするでしょう。 それは子供であっても同じです。 自分以外の誰かが病気だとわかれば 頑張って、我慢して、自分の気持ちを抑えていたりします。 無理をすることも多いでしょう。 しかし、頭でわかってい…

私がヘテロクリニックでこの仕事を始めたわけ⑻

子供は大人が常に見守っていなければ成長できないでしょうか? もちろん、子供の成長には親や周囲の存在が大きいです。 しかし、子供は大人の知らないところでもしっかり成長しています。 子供の成長を見て大人のほうが勇気をもらうこともあるかもしれません…

私がヘテロクリニックでこの仕事を始めたわけ⑺

周りにどう言われようとも 本人がどうしたいか決心していれば、 結果的に納得する人生を送ることができるのかもしれません。 それは治療をすることであっても、治療をしないことであっても同じです。 「もう治療したくありません。」 ある時、患者さんからそ…

私がヘテロクリニックでこの仕事を始めたわけ⑹

どんな人生を送りたいか、生きる上で自分が何を大切にしているか そういったことを軸に人生の選択をしているのであれば 例え、他の人からみればおかしなことであっても その人にとっては幸せな人生を送ることができるのではないかと思っています。 病院勤務…

私がヘテロクリニックでこの仕事を始めたわけ⑸

子供は生まれる前、空の上から親を選んでやってくると聞いたことがあります。 私たちはどんな縁があって自分の親を選んだのでしょうか。 研修医で小児科を回っていた時のことです。 神経疾患の子ばかりが集まった病室がありました。 その部屋には脳性麻痺の…

私がヘテロクリニックでこの仕事を始めたわけ⑷

長い癌の治療ののち、もう治療ができないと言われた時、 あなたならどうしたいですか? 研修医の時です。 12月の寒い頃でした。 ボウズ頭の穏やかな顔をした患者さんがいました。 彼は食道癌で入院していました。 彼のベッドサイドにはいつも「美味しんぼ」…

私がヘテロクリニックでこの仕事を始めたわけ⑶

自分の死を予感した時、人によってその反応は様々です。 土曜日のある日のことでした。 その日の外来が終わろうとしていた頃、 90歳近い小さなおばあさんが救急車で運ばれてきました。 腹痛があるということです。 診察でお腹をみようと服をめくってみると …

私がヘテロクリニックでこの仕事を始めたわけ⑵

誰かにとっての「いい人」であることは自分自身を苦しめることになります。 いい人は損するとどこかで聞いたことありませんか? 家族思いで みんなにやさしくて みんなのために頑張って みんなのために犠牲になる そんな人がいました。 とても真面目な女性で…

私がヘテロクリニックでこの仕事を始めたわけ⑴

「誰のための治療なのか?誰のための人生なのか?癌告知と患者さんの生き方」 こんにちは。ヘテロクリニックの高木です。 私はもともと病院で消化器癌の治療をしていました。 そこでの経験から、人がもっと自分らしい人生を生き、充実し納得できる人生にする…